ある日のこと。
突然、マルシン製のガスリボルバー「ポリスリボルバー」(ニューナンブM60)にガスを入れられなくなりました。
ガスを入れると同時に放出バルブから全部抜けてしまうのです。
幸いにも修理に成功しましたので、その方法をご紹介します。
故障の内容
今回の症状は、ガスを入れたそばから放出されることです。
分解してみると、放出バルブがインパクトプレート(バルブノッカー)に叩かれた状態から元の位置に戻らず、ガスルートが開きっぱなしになっていました。
バルブの位置は下の画像の丸で示したあたりです。

本来はバルブの突起が見えるはずですが、インパクトプレートに叩かれて奥に引っ込んだままなので写真には写っていません。
バルブが元の位置に戻らないため常にガスの放出口が開いた状態になり、ガスを入れたそばから放出されるのです。
故障の原因
バルブが戻らない原因は、バルブの動きが渋くなっているからです。
バルブスプリングがへたってバルブを押し戻す力が弱くなったのか、バルブのOリングが油を吸って膨張し抵抗が大きくなったのかもしれません。
修理方法
簡単に言えば、バルブが入っている穴の直径を広げることで、バルブがスムーズに動くようにしました。
分解
※スプリングが飛び出すおそれがあるため安全メガネをしてください。
まずはグリップを外します。

次に、シリンダーの下にあるねじを緩めてシリンダーをクレーン(ヨーク)ごと外します。

ネジは緩めるだけで、完全に外す必要はありません。
最後にサイドプレートを外します。

スプリングが飛び出さないよう慎重に外してください。
外す時に少し引っ掛かりがあるので注意。
あとはパーツを手前から外していきます。
このスプリングがかなり固く、ペンチを使わないと足が外せません。

外したハンマー一式です。

ガスタンクはランヤードリング付近の左側からねじ止めされています。
ガスタンクが外れたら、金色の大きなマイナスねじを外して中にあるバルブ類を取り出してください。
ねじは10円玉で回せます。
修理
ガスタンクの、バルブの細い部分が通る穴を4.5㎜の金属用ドリルで拡張します。
拡張すべき穴は、下の画像の赤枠部分にあります。

ドリルを使ってもともとある穴を広げる場合、ドリルの先端(中心)を固定できないためドリルに無理な力がかかりやすいです。よくドリルが折れます。
また、ドリルがぶれて穴が曲がりやすいです。
そのため、電動ドリルではなく手動のハンドドリルかピンバイスを使ってください。
今回はピンバイスではドリルが空回りしたため、手回しドリルを使いました。
穴を拡張する際には、くれぐれも慎重にドリルを進めてください。
おかしな抵抗を感じたら一度ドリルを戻して引き抜き、もう一度ドリルをまっすぐ入れなおしましょう。
それなりに時間はかかりますが、失敗したら元も子もないので焦らないでください。
穴を拡張できたらやすりで削って整えます。
削りかすはエアダスターで飛ばしましょう。
あとは元通り組み立てれば完成です。
が、その前に、バルブのOリングとガスルートのOリングに高粘度グリスを塗ります。
ガスルートのOリングは、下の写真の丸の位置にあります。

グリスを塗ることで気密が保たれます。
私はいつも東京マルイの電動ガン用グリスに付属する高粘度タイプを使っています。
普通のグリスは粘度が低く、ガスの力でグリスが吹き飛ばされてしまいます。
逆に、高粘度グリスをスライドや歯車などの可動部に塗ると抵抗が増えて故障の原因になるので注意。あくまで気密をとるために使ってください。
結果
修理後、元通り使えるようになりました。

ガスを入れた状態で一晩おいてもガスは残っていたので、ガス漏れの心配もないでしょう。
お気に入りの銃なので治って本当にうれしいです。
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