あなたは障害年金をご存知ですか?
もしかしたら、
- 「生まれつきの障害を持った人のための年金だ」
- 「よほどの重症でなければもらえない」
- 「働いている人はもらえない」
といった誤解をお持ちかもしれません。
この世は一寸先は闇です。
誰もが事故や病気で働けなくなる(または収入が減る)可能性があります。
そうしたときに、しかるべき申請をすれば誰もがもらえる可能性のあるお金が障害年金なのです。
今回は、こうした障害年金について学べるコミック『マンガでわかる! 障害年金』をご紹介します。
『マンガでわかる!障害年金』について
本書は
「様々な事情で働けなくなった(または収入が減った)人たちが、社会保険労務士(社労士)のアドバイスを受けながら障害年金の申請をする」
といったストーリーになっています。
各人が抱える事情とは、
- うつ病
- 交通事故
- 発達障害
- 糖尿病(人工透析や合併症)
- がん
など、実に様々です。
また、
- 必要な書類が手に入らない
- 医師とのコミュニケーションがうまくいかない
といったように、申請が難しくなる理由もストーリーに織り込まれています。
そのため、
- どんな障害で申請できるのか
- どのような状況だと申請が認められないのか
がよく分かります。
各話の最後や要所には文章による解説も織り込まれているため、制度の詳しい内容についても網羅できます。
また、巻末には
- うつ病の診断書の記入例
- 請求に必要な書類の見本
も収録されており、申請に必要な手続きをより具体的にイメージしやすくなっています。
特に、うつ病は誰もがなる可能性が高い病気なので、うつ病の診断書の記入例はかなり参考になるのではないでしょうか。
障害年金の注意点
ここからは、私が『マンガでわかる! 障害年金』から学んだ障害年金の注意点についてまとめてみます。
申請には初診日が重要
障害の認定は初診日(障害に関わる病気で初めて医者を受診した日)が基準になります。
例えば、
- 初診日の時点で厚生年金に加入しているかで受け取る年金の種類や金額が変わる
- 初診日から1年6ヶ月経った日が障害認定日となる
といった具合です。
初診日が遅いほど障害と認定される期間が短くなり、もらえるお金も少なくなります。
したがって、「なにか体調が悪いな」と思ったら積極的に医者に行き、領収書やお薬手帳をきちんと保管しておくことをおすすめします。
特に、不眠症はうつ病の前触れの可能性があるので要注意。
認定は「どれほど生活に困難が生じているか」が基準となる
障害の認定は、「どれほど日常生活や就労に制限があるか」が基準になります。
本人の収入は関係ありません。
また、「生活の困難さ」は本人が一人で暮らしていると仮定したときの様子で判断します。
家族といれば普通に生活できたとしても、障害が認定されないとは限らないのでご注意ください。
保険制度では「症状固定=治った」
症状固定とは、「もう病状が変わらない」状態になったことを指します。
例えば、
- 交通事故の手術で脚を切断された
- 心臓にペースメーカーを入れた
といった場合です。
通常の障害認定日は初診日から1年6ヶ月後ですが、症状固定日がそれよりも早ければ症状固定日を障害認定日として請求できます。
注意点は、保険制度では症状固定=治った状態とされることです。
したがって、申請書類等で「傷病は治っていますか?」と聞かれたら「はい」と答えなければなりません。
視力や聴力の低下でも障害手当金を受け取れる
完全に失明していなくても、片目だけが見えにくくても(もしくは片耳だけが聞こえにくくても)、障害手当金を受け取れる可能性があります。
基準は、
- 片目の視力が0.1以下
- 片耳の平均純音聴力が80デシベル以上
などとなっています。
それに加えて、「初診日に厚生年金に加入している」、「初診日から5年以内に症状固定」などの基準がありますが、それでも該当する人はかなり多いのではないでしょうか。
申請して認められれば100万円以上がもらえますので、無知とは本当に恐ろしいものです。
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