本ブログは、当初はてなブログの無料版からスタートしました。
半年ほど使った後、
「このまま長くブログを続けていきそうだな」
と思ったため、2020年1月10日にPro版への移行・独自ドメインの取得をしました。
今回はその時の手順や遭遇したトラブルなどについて詳しくご紹介します。
これからはてなブログPro版に移行する方の参考になれば幸いです。
参考サイトも数多くご紹介しておりますので、ぜひご利用ください。
なお、「はてなブログからワードプレスへ引っ越したい」とお考えの方はこちらの記事をご覧ください。
独自ドメインの取得
まず必要なのはドメイン1の取得です。
管理業者の選定
ドメインは自分で勝手に用意することはできず、しかるべき機関に必要な情報を登録しなければ使えません。
こうしたドメインの用意と登録を代行してくれるのが管理業者(ドメインレジストラ)です。
当然ながら、そうした作業には料金が発生します。
ドメインには取得時だけでなく毎年の更新料金も必要です。
金額はドメインの種類によって異なり、一般的に『~.com』より『~.jp』のほうが高くなります。
私が管理業者の選定で考慮した条件は次の4点です。
- 一般的なドメインである「.com」を取得できる
- 料金が安い
- Whois情報公開代行が無料で付帯する
- レンタルサーバーは不要
1番目の条件はどの業者でもクリアできるので特に問題はありません。
2番目の条件にある料金については、毎年発生する更新料金を重視してください。
いくら取得価格が安くても、毎年のランニングコストが高くては意味がありません。
3番目の条件に出てくるWhoisとは、ドメインとその管理者の検索システムのことです。
ドメインの取得時には管理者の住所や氏名を登録する必要があるのですが、これらの情報は世界中に公開されます。
法人ならともかく個人では大きなリスクになるため、代わりにドメイン管理業者の名前で登録してもらうのがWhois情報公開代行です。
4番目の条件は、料金が高くなるくらいなら余計な付帯サービスは不要という意味です。
「レンタルサーバーが無料!」がウリ文句の業者がありますが、はてなブログを使う分には自前でサーバーを用意する必要ありませんので。
以上の条件を全て考慮した結果、お名前.comを選びました。
全ての条件を満たしている上、ランニングコストの安さが決め手です。
維持費の安さではスタードメインも負けていない上、レンタルサーバーも無料でついてくるのですが、
- 自動更新ができない
- 支払い方法が「あらかじめポイントを購入し、そのポイントで支払う」という特殊仕様
- はてなブログを利用する限りサーバーは不要
という理由で見送りました。
スタードメインの公式サイトを見ると「ドメインの取得や更新時にポイント進呈」という宣伝に惹かれるかも知れませんが、このポイントはレンタルサーバーにしか使えず、ドメイン周りの支払いには使えないので注意。
「他人の意見を鵜呑みにするものか!」と勢い込んで色々調べてみたものの、結局は定番のお名前.comが一番良いとの結論になりました。
ドメインの取得
業者が決まったらいよいよドメインを取得します。
まず、お名前.comにアクセスします。
次に、検索ボックスに欲しいドメイン名を入力し、検索ボタンを押します。

すると、下のような画面になります。

好きな末尾にチェックを入れ(上の写真では『.com』を選択しています)、『料金確認へ進む』をクリックします。
サーバーの利用の有無を聞かれますので『利用しない』を選び、お好きなメールアドレスとパスワードを入力して『次へ』をクリックしてください。

必要な個人情報を入力し、『次へ進む』をクリックしてください。
あとからWhois公開代行を設定しますので、これらの情報が公表されることはありません。

最後に支払い方法を選択し、『申込む』をクリックします。
クレジットカードの場合、自動更新が設定されるので安心です。

申し込みの前に、『選択した商品』の中にWhois情報公開代行が含まれていることを念の為にご確認ください。
これにてお名前.comでのドメイン取得は完了です。
お疲れさまでした。
はてなブログProに登録する
お名前.comでドメインを取得したら、はてなブログProに申し込んでください。
1か月・1年・2年コースがありますが、期間が長くなるほど1月当たりの料金が安くなります。
ただし、途中での解約・返金はできない点にご注意ください。
注意:編集モードの変更はPro移行前に済ませよう
はてなブログの仕様では、Pro版に移行すると編集モードがリセットされるようです。
例えば、無料版のときに「見たままモード」で作成した記事があるとします。
通常、この記事は未来永劫「見たままモード」でしか編集できず、後から「はてな記法」や「Markdown」に変えることはできません。
ところが、デフォルトの編集モードを「Markdown」に設定してからProに移行した場合、
すべての記事の編集モードが「Markdown」に変更されます。
(※追記:依然として見たままモードの記事もありました。短い記事は対象外の可能性があります。)
個人的にこの仕様はかなりありがたかったです。
記事の作成にある程度慣れ、HTMLの編集がしたくなるとMarkdown記法が非常に便利です。
そのため「そのうち別の編集モードも試したい」と思っている方は、Proに移行する前にお気に入りのモードを見つけて変更しておくことをおすすめします。
各種設定
が終わったら、細々とした設定をしていきます。
大まかな流れは次のとおりです。
- サブドメインに『www』を設定して『www.○○.com』の形にする
- その独自ドメインをはてなブログに適用する
- すでに無料版でブログを作っているなら、Googleアナリティクス・サーチコンソール・アドセンスで情報の引継ぎをする
アドセンスは新URLで再度審査を受けなければなりません。
当ブログでは合格までに10日を要しました。
参考サイト:
アナリティクスの設定について
前述のサイトには『プロパティ設定』のことしか書かれていませんが、『ビュー設定』の変更も必要です。
基本的には下のサイトを参考に設定してください。
リダイレクトについて
はてなブログに独自ドメインを設定した場合、すでにあるブログから新しいアドレスへ自動的にリダイレクト(転送)されるようになります。
これは301リダイレクト(=恒久的な転送)になるのでGoogleの検索順位や評価も引き継がれ、コピーコンテンツとみなされる恐れもありません。
「はてなブログは301リダイレクトができない」という記述を見かけるかもしれませんが、これははてなブログから別のブログサービスに移転するときの話ですのでご安心を。
いっぽう、同じはてなブログ内であっても「/entry/」以降のアドレスを変更した場合には301リダイレクトができません。
そのため、「独自ドメインへの移行を機に、デフォルトURLをカスタムURLに設定しなおす」場合はページ評価を捨てる覚悟で臨まなければなりません。
この場合でもJavaScriptを使えば転送が可能です。
コードは以下のサイトを参考にしてください。


301リダイレクトが使えないときにJavascriptでページを転送する方法
一番目のサイトにはスクリプト以外の転送方法も書かれており、とても参考になりました。
二番目のサイトは、はてなブログから別のブログサービスへ転送する場合の事例ですが、ご参考までに。
JavaScriptで転送する場合、本来は旧アドレスのhead
要素に<link rel="canonical" href="新URL">
を記述するべきですが、はてなブログでは個別の記事でhead
の編集ができないのでおそらく不可能です。
追記
こちらのサイトのコードを応用すればhead
の編集が可能かもしれません(未検証)。
複数のページをリダイレクトする
リダイレクトしたいページが複数ある場合、JavaScriptのコーディングが少し面倒です。
そんなときに便利なPythonスクリプトを作ってみたので、ぜひご利用ください。
上の記事のコードを軽量・高速化したものはこちら。
トラブルシューティング
ここでは設定変更時に遭遇したトラブルと、私がとった解決法について述べます
Google Adsenseにサイトを追加できない
新ドメインのサイトを追加する際に「URLには有効なトップレベルドメインを指定してください」とエラーが出た場合、URLの『www』を消せば登録できます。

Google Adsenseで広告が配信されない
アドセンスの管理画面からサブドメイン『www
』を追加してください。
サブドメインを追加した次の日には、一部のページで広告が表示されるようになりました。
しかし、全ページで広告が配信されるまでにはさらなる時間が必要でした。
Google Search Consoleで所有権の確認ができない
プロパティの追加時には『URLプレフィックス』を選択し、表示された『HTMLタグ』をご利用ください。
Google Search Consoleでリダイレクトが確認できない
「アドレス変更」をすると「ホームページからの301リダイレクト ページを取得できませんでした」のエラーに遭遇しました。

ひとまず新ドメインのサイトマップを送信し、大半のページがインデックスされてから再度試したところ、無事に解決しました。
参考:アドレス変更「 ホームページからの 301 リダイレクト」エラー【Google search console】
ただ、サイトマップを送っただけでは待てど暮らせどクロールされる気配がなかったため、次の方法を実行しました。
サーチコンソールの設定ページにアクセスし、クロール頻度を最大にします。
サーチコンソールに登録直後は下のように「サイトの情報不足のためクロール頻度の変更は不可」と表示されますが、3日後には設定できるようになりました。

設定した翌日に次のようなメールが届き、サイトのインデックスが開始されました。

そのさらに翌日の「カバレッジ」はこちら。

以前の経験から、一度「除外」されたURLは待っているだけでは永久にインデックスされないと思ったため、後日手動でインデックスをリクエストしておきました。
リクエスト送信から2日後にはほぼすべてのページが登録済みになりました。
参考サイト:
デフォルトURLはインデックスされにくい?
ここで、インデックス開始翌日に検出されたURLの一覧をご覧ください。
下はインデックスが『有効』のもの(一部)。

含まれるデフォルトURLは7つのみであり、残り24個は全てカスタムURLを持つページでした。
一方、下はインデックスが『除外』されているものです。

こちらはすべてがデフォルトのURLでした。
この結果を見ると、はてなブログのデフォルトURLはグーグルボットにクロールされにくいのではないかと思えます。
デフォルトURLは無駄に階層が深くなるせいかもしれません。
デフォルトURLはアクセス解析時に何について書いたページか分かりにくいというデメリットもあるので、できる限りカスタムURLを使うことをおすすめします。
AnalyticsとSearch Consoleの連携ができない
当初、アナリティクスの「管理」→「プロパティ設定」→「Search Consoleを調整」を見ても新ドメインのサイトが表示されませんでした。
もしも旧URLが表示されているなら、「削除」をクリックして一度リンクサイトを削除してください。

その後、もう一度「Search Consoleを調整」を開きます。
依然として旧URLが表示されているかもしれませんが、再度「削除」をクリックすると新URLを選択できるようになっているはずです。
上記以外の要因がある場合、以下のサイトに解決策がまとめられているのでご確認ください。
- Search Consoleは所有者権限を持っていますか?
- Search ConsoleとGoogle Analyticsで、同じGoogleアカウントですか?
- Search Consoleでは、www有無・http・httpsで別々のサイトとして扱われますので、Google Analyticsと同じURLかどうかもご確認ください。
その他の設定
固定ページへの移行
今までは記事ページとして作っていた「サイトマップ」、「免責事項・プライバシーポリシー」、「お問い合わせ」を固定ページに移しました。
内部リンクの修正
今までブログ内に貼った内部リンクはすべて旧ドメインのものになっています。
そのままでも自動的にリダイレクトされるため、リンク切れになることはありません。
しかし、大量のURLがリダイレクトというのも気持ち悪いので内部リンクを修正します。
修正には以下のサイトで紹介されているツールを使用しました。

下はツール制作者様のサイトです。

ツールの使用法については上2つのサイトをご覧いただきたいのですが、私からもいくつか補足をしておきます。
--blog-id
に指定するブログIDとは、はてなブログの「詳細設定」→「AtomPub」に書かれているアドレスの下線部です。

置換コマンドの入力例
C:...ReplaceContentText.exe -n -i --id Jo-Bitaki --blog-id joe-hitagi.hatenablog.com --api-key xxxxx --from "joe-hitagi.hatenablog.com" --to "www.joe-hitagi.com" --diff-cmd fc
この例では記事内のjoe-hitagi.hatenablog.com
をjoe-hitagi.hatenablog.com
に置換しています。
最初はhttps://www.joe-hitagi.com/
のように指定しました2が、これだとカード型リンクの一部(赤い枠の部分)が置換されませんでした。

置換されないのはテキストだけでリンク自体は修正されますが、テキストの表示と実際のリンク先が異なるのはあまり良くないでしょう。
コマンドの-n
は「実際に置換は行わず、置換内容の確認をする」という意味です。
まずは-n
オプションを入れて置換内容を確認し、問題なければこのオプションを抜いて再度実行することをおすすめします。
-i
オプションは置換の実行前にユーザーの承認を求めるものです。
確認は記事ごとに必要となります。
必須のオプションではないが、私は不安なので入れておいた。
事故防止のため、以降に掲載するコードにも全て-n
と-i
オプションを入れてあります。
--diff-cmd fc
は置換される部分(差分)のみを表示するオプションです。
これを指定しないと記事の全文が表示され、置換対象の確認が難しい。
fc
コマンドはWindowsの場合に使用し、MacのようなLinux系ならdiff
を使います。diff
の使い方については前述のツール制作者様のサイトに詳しく書かれているのでご一読ください。
なお、差分として表示される<iframe class="embed-card embed-blogcard" style=...
は、リンクカードを指すと思われます。
もしも「アクセスが拒否されました」といったエラーが出る場合、コマンドプロンプトを管理者として実行してみてください。
Google Adsenseの手動広告を削除
もともと当ブログではアドセンスの自動広告は無効にしており、手動で広告コードを貼っていました。
今回のようにサイトのアドレスを変更した場合、新アドレスでの審査合格前に広告コードを貼るのは規約違反です。
したがって既にあるコードは削除しなければならないのだが、全記事を手動で編集するのは難しいでしょう。
そこで前述のツールを使い、"adsbygoogle"
を"dis_adsbygoogle"
といった適当な文字列に置換することで広告コードを無効化しました。
コマンド例は以下のとおり。
C:...ReplaceContentText.exe -n -i --id Jo-Bitaki --blog-id joe-hitagi.hatenablog.com --api-key xxxxx --from "adsbygoogle" --to "dis_adsbygoogle" --diff-cmd fc
この手法が規約に沿ったものかは未確認ですが、グーグル側から警告が届くことはありませんでした。
アドセンスの削除については、こちらの記事も参考にしてください。
※追記
もしも規約違反が心配なら広告コードを完全に削除することをおすすめします。
詳しくは下の記事をご覧ください。
おわりに
今回の作業内容は、一言で言えば『独自ドメインへの移行』。たったそれだけです。
しかし、これがなかなかに大変な作業でした。
リンクは貼りなおですし、アドセンスの審査は受け直しです。
しかも、移行直後はアクセス数が3分の1に急落しました。
「有料版への移行と独自ドメインの取得は早いほうがいい。できれば最初からやっておくべきだ。」と色々な方々がおっしゃっていますが、まさしくその通りだと身にしみました。
皆さんにも、
- 「ブログが楽しい」
- 「ブログを続けたい」
と思ったら早めに独自ドメインを取得することをおすすめします。
コメント
撫子さん
ブックマークとコメントありがとうございます。そのようにお褒め頂けると励みになります。
私も撫子さんが書いておられる海外についてのお話、とても楽しく拝読しています。