私はカシオのXD-B4800という電子辞書を愛用しています。
使用頻度が高かったせいか、購入して6年ほどでサブディスプレイが故障しました。
それだけならまだしも、電池の消耗が異常に早くなったせいでとても実用に耐えるものではなくなってしまいました。
そのまま2年ほど放置していましたが、先日ようやく修理できました。
この記事では分解と修理方法について説明します。
とはいえ、直せたのは電池を異常に消費する現象だけで、サブディスプレイ自体の修理はできませんでした。
私の使い方ではサブディスプレイが使えなくても困ることはありませんが、「サブディスプレイを完全に修理したい」と思っている方にはあまり役に立たないと思います。
故障の詳しい内容
症状は、サブディスプレイ(キーボードの下にある小さな液晶)の画面が真っ白のまま点滅するというもの。
しかも電源を切っても点滅が続きます。

電源を切っても液晶が光り続けるせいで電池をすごい勢いで消耗します。
正直、この症状はディスプレイの故障自体よりも厄介で、フル充電のエネループが1か月ほどで空になってしまします。
タッチ機能は生きているようで、正常時の画面の内容を覚えていれば手書き入力もできそうでした。
メーカーではもはや修理を受け付けていないため、自分で何とかするしかありません。
分解
まず、電子辞書裏側にあるねじをすべて外します。
電池ボックス周辺にある4つの銀色のねじは、最もヒンジに近いものだけ種類が違うので注意。

次に、電池ボックスの仕切りにあるつめ(赤丸)を外します。

そして、8か所にあるつめ(黄色の丸)を外せば裏蓋が外せるようになります。
私はこのうちの3つを折ってしまいました。
外した蓋。
下部の金属プレートは補強用でしょうか。

蓋側のつめの拡大図。

つめの形状は蓋側が凹、本体側が凸です。
ただし、最もヒンジに近いつめはどちらも凸になっていて、それらがかみ合うようになっています。
続いて基盤を外します。
メインディスプレイから出ているフラットケーブルを傷つけないように注意。
手順は、
- 基盤を固定している4つのねじ(黄色の丸)とサブディスプレイの2つのねじ(赤丸)を外す
- 向かって左側から基盤を持ち上げる
- サブディスプレイ付近にある2つのつめを外して基盤をさらに持ちあげ、サブディスプレイのねじ受けから基盤を外す
- 基盤を左側にずらすようにして、右端にあるスイッチ類ごと基盤を外す

基盤を外したところ。
基盤には電池ボックスの端子がついたままです。

メインディスプレイのフラットケーブルは接着されているので、基盤と本体を完全に分離することはできません。
修理
サブディスプレイ周辺に異常がないか確認するも目視ではよく分かりませんでした。
そこで修理はあきらめ、代わりにサブディスプレイへの通電を阻止して電池の消耗を抑える方針に転換することに。
サブディスプレイでしか行えない操作は(たぶん)無いので問題はないはず。
サブディスプレイから出ている2本のフラットケーブル(赤丸の部分がコネクター)をいったん外し、絶縁材としてコピー用紙を挟んで再度接続。
フラットケーブルは2つともロックを矢印方向に跳ね上げて外すタイプです。

あと役割は不明ですが、基盤に接続された金色のスプリングと、サブディスプレイから出ている金具が接触している場所(赤丸)があったので、間に工作用紙を挟んで絶縁しました(そもそも通電しているか不明ですが)。

この作業はサブディスプレイと白い枠を基盤から少し浮かせてから行いました。
あとは元通り組みなおせば完成。
ふたを閉める前に、音声切り替えスイッチやSDカードスロットのカバーがついているか要確認。
私は蓋のつめを折ってしまったため、スポット上に瞬間接着剤をたらして蓋を固定する羽目になりました。
結果

上の写真の通り、サブディスプレイは完全に動かなくなりました。
そのため、電池の余分な消耗もなくなったはずです。
さて、電池はどれくらいもつようになったでしょうか。
しばらく経過観察をしていきます。
2019年9月14日 追記
修理の際に入れたエネループで約1か月稼働中。
この電池が切れたらまた追記でご報告します。
2020年2月20日 追記
修理からおよそ8ヶ月が経過しましたが、まだ電池は切れていません。
2020年3月9日 追記
本日、ようやく電池の交換サインが出ました。
およそ7ヶ月もの間、電池が保ったことになります。
この様子なら修理は成功したと言えそうです。
番外:電子辞書の有用性
作家で元外務省主任分析官の佐藤優氏によると、グーグル検索は効率が悪いらしいです。
サイト運営者の過度なSEO対策と、Googleによる対抗措置とのいたちごっこで偏った情報しか出てこないのが原因であるとのこと。
そのため、佐藤氏自身は調べ物に有料の辞書サイトや電子辞書を活用しているそうです。
私もこれには大いに賛同するところです。
グーグルで検索しても出典不明のコピーコンテンツばかりが上位に表示され、どのサイトも同じような内容です。
そんなサイトに書かれていることなどとても信用できません。
電子辞書のほうがよほど早く正確に調べられます。
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