突然ですが、先日にキャップ火薬ピストルのビッグガン W8が壊れてしまいました。
この銃は火薬銃では珍しいシングルアクション1です。
しかし、故障したせいで、ハンマーを起こしたときにシリンダーが連動して回転しなくなりました。
つまり、射撃時には
- ハンマーを起こす
- 手動でシリンダーを回転させる
という面倒くさい手順を踏まなければならないのです。
まるで黎明期のリボルバーのようですね。
本記事では、この故障の修理手順を解説します。
故障内容
壊れたのはハンマーと連動してシリンダーを回転させるための金属パーツです。
下の写真のように回転軸となるピンが折れ、パーツが脱落してしまいました。

ちなみに、ビッグガンのAmazonレビューでも同じ症状とみられる故障報告を見つけました。
修理手順
ここからは写真多めで解説していきます。
分解
まず、作業の邪魔になるのでシリンダーを取り外します。
次に、トリガー前方にある金色のねじを外します。

使われているねじはこれ1本のみです。他はすべてダミーなので回そうとしないように。
ねじが外れたら、グリップパネル(茶色)を外してください。
写真のように銃本体とグリップパネルの間にマイナスドライバーなどを差し込み、パネルを持ち上げるようにして外すと楽です。

かなり固いのでピンを折らないように注意。
銃本体の接合のほとんどをグリップパネルが担っているといっても過言ではないため、ピンが折れるとかなり厄介です。
あとは銃本体を左右に開けば分解完了です。
リアサイト付近のピンだけが少し固いので注意してください。

上の写真からお分かりいただけるように、私は左側のグリップパネルのピンをもいでしまいました…
仕方がないのでプラリペアで補修しました。
プラリペアはプラスチックを溶かして接着するため、かなりの力がかかる部分に使っても外れることはありません。
工作・DIYをするなら必携品です。
修理
まず、破損した金属パーツのピンがあった部分に直径2.5㎜の穴をあけます。

このパーツがやたらと頑丈で、電動ドリル+金属用の刃を使ったのに穴あけに30分近くもかかりました。
穴あけ後にはかなり熱くなってもいたので、下のようなドリル用の潤滑油を使うべきだったかも。
さて、折れたピンの直径は2.6㎜です。
そのため、あけた穴にM2.6のボルトを通してピンの代わりにすします。

下の写真はボルトを通したところです。

上の写真は左から順に
- ナット
- スプリングワッシャー
- ハンマー(撃鉄)
- スプリング
- 普通のワッシャー
- 金属パーツ
です。
ねじ部分が頻繁に回転することになるため、ナットが緩まないようにねじロックで接着した方が良いです。
ちなみに、ねじロックには3種類の強度がありますが、「高強度」を使うと二度とねじが外せなくなるので注意。
あと、スプリングワッシャーの代わりに普通のワッシャーを使うと、ワッシャーの直径が大きいためにトリガーと干渉してしまいます。
スプリングと金属パーツの間に入れたワッシャーは高さ調整のためのものです(下に写真を再掲)。

高さ調整について
下の写真は、銃本体にハンマーと金属パーツを取り付けた状態で後ろから撮影したものです。

金属パーツの上側は銃本体と密着していますが、下側は黄色の線で示したように隙間が空いています。写真ではハンマーが斜めになっているので、実際の隙間はもっと大きいです。
この隙間のせいで赤矢印方向に応力がかかり、ピンが折れたのではないかと思いました。
そこで、回転軸の以下の場所に通常のワッシャーをはめて高さ調節をしています。
- 金属パーツとスプリングの間
- ハンマーと銃本体右側の間
- トリガーと銃本体右側の間
これで応力が軽減されるはず。
組み立て
パーツの位置関係は写真の通りです。

組み立ての参考にどうぞ。
私の場合はグリップパネルのピンが折れたせいで銃本体が密着しなくなったので、梨地テープを巻き付けました。

このテープはもともと車の配線に使うものですが、接着力は強いのにべたつきにくく、つや消しで目立たないので工作に非常に便利です。
折れたグリップパネルのピンは、ダミーのねじ部分だけプラリペアで接着してごまかしています。

あとは元通りに組み立てて完成。

これで問題なく動くようになりました。
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