100円ショップのダイソーとセリアでキャップ火薬ピストル1を買ってみました。目的は、安価なモデルガンとして遊ぶことです。
ところで、同じ火薬銃でもダイソーとセリアでは細部が微妙に異なります。本記事では両者をじっくりと比較してみます。
さらにさらに、火薬銃を楽しく使えるカスタマイズを3つほどご紹介します。かなりマニアックな内容ですが、簡単&効果的なのでぜひご覧ください。
両者の比較とレビュー
まずは下の写真をご覧ください。上がセリア、下がダイソーのキャップ火薬ピストルです。

ダイソーの銃身に亀裂が入っているのは、私が銃口キャップを外す際に破損させてしまったからです。
共通点
なお、別売りの火薬はダイソーとセリアで全く同一のものでした。どちらも下のような8連発のカネキャップです。

どちらもブレイクオープン式のため、装填時には下の写真のように銃を折り曲げます。

火薬は8発分を一度にセットします。
後日、カネキャップの保管・携帯のために簡単なケースを作ってみました。詳しくは下の記事をご覧ください。
【火薬銃】8連キャップ火薬用携行ケースの自作
相違点
ダイソーまたはセリアだけの特徴は次のとおりです。
- ダイソー:シリンダーの前後を覆うガードがある
- ダイソー:グリップが先端にかけて太くなっている
- セリア:トリガーガードが下に張り出している
- セリア:銃身が少し長い
- セリア:銃身にベンチレーター4が造形されている
- セリア:シリンダーが外れやすい
- セリア:火薬をセット後にシリンダーを閉じにくい(引っかかる)
- ダイソーとセリアでは銃口のキャップの形が違う
ダイソーはグリップの形状が良いおかげで握りやすく、トリガーに指の力を伝えやすいです。
セリアのほうが全体的な造形はリアルですが、トリガーガードが大きくてグリップが握りにくいです。
よって、実用性ではダイソーに軍配が上がります。
また、ダイソーはシリンダーギャップの部分にガードがあるので、火花から手が保護されるという点では安全性が高そうです。ガードがあるおかげで、なんとなくリボルバー式グレネードランチャーのようにも見えます。
あと、ダイソーのほうが各部の動作がスムーズな気がしました。
あくまでも私の主観ですが。
銃口キャップの違いについて
ダイソーは銃口の外側を覆うようなキャップがついています。オレンジ色なのでとても目立ちますね。

セリアは銃口に栓のようなキャップがついています。ダイソーより外に出ている面積が少ないため、比較的目立たちません。

カスタム
それでは、カスタマイズ(×3)のご紹介です。
どれも簡単なのでぜひどうぞ。
銃口キャップの除去
前述のように、ピストルの先端にはオレンジのキャップがついています。火花や火薬かすの飛散防止と思われますが、キャップがついたままだと火花があまり見えずいまひとつ迫力に欠けます。
そこで、銃口キャップを外すことにしました。キャップは接着剤で固定されているため、力技になります。
ダイソー
かなり強固に接着されています。ドライヤーで加熱しても外れず、カッターとニッパーで無理やりはがしたら銃身が割れてしまいました。

こんなことならキャップはそのままにしてドリルで穴をあけるか、銃口付近を輪切りにすればよかったかも。
セリア
キャップのふちをペンチで除去した後、射手側からドライバーで押し出したらきれいに外せました。

ダイソーよりもかなり接着が緩いです。
注意
キャップを取り外すと銃口から火薬の燃えかすが飛び出すようになる(白い紙に向かって撃ってみるとよく分かります)ため、絶対に自分・人・動物に向けて発砲しないでください。
特に、破片が眼球に入ると非常に危険です。
トリガーガードの切断
トリガーガードが邪魔なので、後ろ半分を切ってみました。

これだけで格段に握りやすくなります。ただし、ポケットから取り出すときに切り口が引っかかりやすくもなりますが。
上の写真はセリアのピストルですが、ダイソーのものも同じように加工しています。
せっかくならハンマースパー(撃鉄の指をかける部分)も切り落としてデホーンドハンマー5にすればよかったかもしれませんね。どうせダブルアクションでしか撃てないのでハンマーを触ることも無いですし。
トリガーガードの完全除去&デホーンドハンマー化(2019年11月18日追記)
ダイソーのピストルもトリガーガードの後ろ半分を切除していましたが、ポケットに入れていたらいつの間にか前半分が折れてしまいました。やはり強度が下がっていたのでしょう。

しかし、この状態でも特に不便は感じません。むしろ邪魔なものがなくなってトリガーを引きやすくなりました。もともとダブルアクションオンリーでトリガーが重いため、この状態でも暴発の危険は低いでしょう。
ダイソーのピストルが使いやすくなったことに気をよくして、セリアのほうも残ったトリガーガードを切り落としました。ついでにハンマースパーも切ってデホーンドハンマー風にカスタマイズ。

やはりポケットから取り出すときに引っかからないのが良いです。
残弾インジケーターの追加(2019年12月22日追記)
シリンダーに写真のような赤い印を追加しました。こちらはセリアのピストル。

この印は残弾計として機能します。
例えば、火薬の装填時に印が下の写真の位置に来るようにした場合。

シリンダーは射手から見て右回りに回転するため、印がこの位置に来ると残り1発であることがすぐに分かります。

このアイデアは「Yuri Custom Works」の作品をまねしたものです。
作品はこちら:PYTHON base”AT-revolver” | Yuri Custom Works
ダイソーのピストルにも同様のインジケーターを追加しました。
ただ、ダイソーはシリンダーの前後にガードがあるせいで印が見難いため、セリアよりも広範囲を塗装しました。

明るい場所では赤が、薄暗い場所ではシルバーが見やすいので二色で塗装。ついでに銃身先端とハンマースパーを切り落としています。
塗装にはガンダムマーカーのガンダムレッドとガンダムシルバー
を使用。ペン型なので手軽に使えます。
最終的にスナブノーズ6のコンシールドキャリー7風になりました。
おわりに
握りやすさ・操作のしやすさの点から、もしも人にお勧めするならダイソーを選びます。
正直、100均の火薬銃にこれほどの差があるとは思いませんでした。
あと、簡単でもカスタマイズをすると「自分だけのもの」という気になるのでおすすめです。
番外:実銃におけるトリガーガードの切断
実銃のリボルバーでもトリガーガードを切るカスタムがあるのか?と思って検索してみたら、なんとトリガーガードの後ろではなく前を切ったものばかりがヒットしました。
コルト社のカスタムガンでFitz Specialというらしいです。リンク先の画像ではデホーンドハンマーになっていることも分かります。
これではトリガーガードの意味が無いのでは?と思ってしまいますが、早撃ちの際に素早くトリガーにアクセスしたり、グローブをはめた手で扱いやすくする効果があるとのことです。
Some liked it because they believed it allowed faster access to the trigger in a quick-draw situation. Others thought it was a good idea because they could run their gun while wearing gloves in cold weather.
ちなみにこのFitz SpecialはDetective Specialの原型になったらしく、今回紹介したキャップ火薬ピストルと意外なつながりがあるのがおもしろいです。
脚注
- トリガーを引くと火花と音が出るおもちゃの鉄砲。運動会でスタートの合図に使うスターターピストルに似たもの。通常は8連発。
- 銃を途中で折り曲げて弾を装填する方式。代表的な物に二連式散弾銃がある。
- ダブルアクションとは、トリガーを引くだけでハンマーも連動して動いて撃発される仕組みのこと。ダブルアクションオンリーではハンマー(撃鉄)を手動で起こすことはできず、常にダブルアクションでしか撃てない。
- 銃身の熱を逃がすことで、照準のじゃまになる陽炎の発生を防ぐ装置。
- スパーがないハンマー。衣服等に引っかかりにくくなり素早く銃を抜けるようになる。
- 銃身が非常に短いリボルバーのこと。「イノシシの鼻」という意味です。
- 護身用に隠し持つための小型拳銃。
コメント