今回ご紹介するのは、法律の条文を子供でも分かりやすいように平易な言葉で解説した本です。
すべての漢字にルビが振ってある徹底ぶりです。

感想
本来の六法とは、
- 日本国憲法
- 刑法
- 民法
- 商法
- 刑事訴訟法
- 民事訴訟法
です。
しかし、本書では子供にあまり関係のない商法が省かれ、代わりに少年法といじめ防止対策推進法について書かれています。
あくまでもこどものためを思って書かれた本であるということがよくわかりますね。
本書の著者はいじめの被害者であり、本書の執筆動機はいじめを受けた子供が法律を使って身を守れるようにすることです。
そのため、法律に当てはまる場面の例示もいじめや学校での出来事が多いです。
また、巻末にはいじめに対する相談や証拠を集める方法についてのアドバイスもあります。
現在の日本では大人がやると犯罪行為でも子供だと「いじめ」ですまされかねないので、子供も法律について正しい知識を持つべきです。
このように、子供のために書かれた本ではありますが、もちろん大人が読んでもとてもためになります。
「こんなことまで法律にかかれているのか」、「こんなことも犯罪になるのか」と新たな発見があります。
刑法を例に挙げると、
- 刑法第230条「名誉棄損」:その内容が事実か否かは関係ない
- 刑法第206条「現場助勢」:傷害現場で囃し立てた者も罪に問われる
- 刑法第92条「外国国章損壊等」:外国を侮辱する目的で国旗などのシンボルを破壊する罪
このほか民法も、日常生活に深くかかわる重要な法律です。
法律は知らないと危険を招くが、知っていれば自分を守る武器になります。
ぜひ大人にも読んでいただきたいです。
なお、本書の民法は2020年4月から施行される改正民法に基づいている。現行法とは一部違うので注意。
改正民法の概要、新旧民法の比較は下記の法務省ホームページを参照してください。
参考:法務省:民法の一部を改正する法律(債権法改正)について
おまけ:法律が見られるおすすめアプリ(無料)
みんなの法令
六法をキーワードから簡単に調べられるアプリ。
ブックマーク機能もあります。
基本的にはオンラインで使いますが、条文をダウロードしてオフラインで閲覧することもできます。
第一法規株式会社が提供。
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